パチ組みレビュー

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YSX-24
■YSX-24 バーゼラルド

真打登場です。
アントの大群を「SA-16 スティレット」や「三二式 轟雷」のマイナーチェンジで凌いできた地球防衛機構でしたが、月側が超強力なFA「NSG-X1 フレズヴェルク」を投入してくるに及び、対策機の必要に迫られました。そこで、かねてから開発を進めていた宇宙用FAを、地上でも使えるように変更したのが、本機になります(MSM3。もともと宇宙用の機体でしたから、そのままでは推進器の出力が重力に耐えられません。機体重量を装甲剤で削った結果、見た目はカッコいいけれど脆い機体となりました。あくまで見た目を重視したあたりが、この世界に特徴的で闇の部分です(017。対FAのタイマンでは非常に強い機体ですが、脆さが災いし、地上戦では3機の「四八式一型 輝鎚」、宇宙戦では4機の「EXF-10/32 アーマーグライフェン」の連携が必要だったとされます(018
本機は4機が生産されて運用試験を行い(017、「量産機」の目途が立ったところで退役または破棄されたとされます(PWE, 027。ただし、それは表向きの発表でした。実際には、1号機は対「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」として活躍を続け(PWEました。また、残りの機体(1機又は2機と想像される)は「量産機」の部品を使って改装され、「バーゼラルドの量産機・SX-25 カトラス」として広報され、戦場でも戦い続けました。「SX-25 カトラス」が生み出されたのは、実際の「量産機」が生産性重視でカッコ悪かったかららしく、この世界の闇です(027

キットは色分けが実に見事で、全くの無塗装でもこの見栄えです。強度もしっかりしていて、動かして遊んでも不安がありません。細かいパーツが非常に多く、これは色分けと表裏一体なのですが、組み立てる手間はシリーズトップクラスです。
■YSX-24 バーゼラルド クリアVer.

「2013 第53回 全日本模型ホビーショー」壽屋ブースで限定発売された、「フレームアーキテクト001クリアVer.」と「クリアアーマーセット02」の組み合わせです。その後、2014年3月に再版されました。
クリアパーツですが素材は柔らかく、パーツの切り出しや組み立てには苦労がありません。光を当てると、とっても綺麗です。
■YSX-24c バーゼラルド砲撃戦仕様

「C型」。バーゼラルドに光学キャノン「X-YN18」をくっつけて、砲撃用にセンサー類を強化した機体です。
月側の超強力なFA「NSG-X1 フレズヴェルク」に対抗するため、地球側は自軍のFAだけでなくその武装も何とかしようとしました。 既に開発が終わった武器の中で、エネルギーの関係でFAに搭載されなかったキャノン「X-YN18」に注目し、新型機バーゼラルドなら使えるかもしれないと考えました。そして発案されたのが、この機体「C型」です。しかし、「バードハント作戦」の勝利で得た「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」の解析が進み、地球側でも超強力な武器が作れる目途がたったことで、「C型」は結局作られることはありませんでした(S05
そう。この「C型」はペーパープランで終わった、幻の機体なのです。

そんな折に、「黒い森事件」が発生します。
地球側の「VTOS」がテスト段階に入り、「黒い森」と呼ばれる密林でそれを使った模擬戦闘が行われました。「VTOS」とはFAのOSで、月への反攻作戦に備えて宇宙戦闘用に強化されたものです。コクピットに映す映像や照準に直接的に影響する他、機体の自動制御や自動照準を行い、不慣れなパイロットをサポートする機能を持ちます(S04, S05。模擬戦闘中にその「VTOS」がハッキングを受けました。ハッキングされた「VTOS」は模擬戦に参加していたFAのコクピットに幻の敵を映し、別のハッキングされた機体によって同士討ちが起こりました。模擬戦に参加していたジャン・B・ウィルバー少尉の機転で、この障害は途中で食い止められました。この時に現れた「幻の敵」が、「C型」だったのです。OSのエラーの産物なので、もちろん実体はありません(S05

「VTOS」をハッキングし模擬戦を滅茶苦茶にしたのは、地球防衛機構内の一派でした。「獅子身中に虫」というわけです。この一派は「急進派」と呼ばれました。「急進派」は長引く戦いに嫌気がさし、さっさと降伏して終わらせたいと考えていました。いわゆる、敗北主義者の集まりです。「急進派」はひそかに月側へコンタクトをとり技術の交流を進め、月側の秘密兵器「TCSオシレーター」の技術を手に入れ、さらにそれを搭載したFA「技術試験機」を作っていました。そして、あの手この手で防衛機構の作戦を邪魔し、「黒い森」では月面反攻に必要な「VTOS」をも頓挫させようとしました。そこで、なぜあえて「C型の幻」を使ったのかは不明ですが、ペーパープランに終わった機体に襲われたという混乱と恐怖心を、防衛機構側の兵士に与えたかったのかもしれません。しかし、ウィルバー少尉の活躍で「VTOS」の妨害は失敗しました。そして、なぜか「黒い森」には件の「技術試験機」を持ち込んでいて、それをウィルバー少尉に見られてしまいました。それが綻びとなり、後日、「急進派」は追い詰められることになります(028, S05

キットは、バーゼラルドの色違いにM.S.G「ウェポンユニット MW18R フリースタイル・バズーカ」が2丁、それを両肩に付ける関節と、新規のヘッドパーツです。2丁のバズーカは半円形のレール上を自由に動き、様々なポーズが取れます。武器の色分けがないのでやや物足りない感はありますが、特徴的な面構えにときめくユーザーも多いのではないかと思います。
■YSX-24RD ゼルフィカール 先行試験仕様

「YSX-24 バーゼラルド」の脆弱性をカバーするため、同機をフルアーマー化した機体です。ワンオフ機で、芯はバーゼラルド1号機です。対「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」として実戦投入され、撃退に成功しました(PWE
銃は「セグメントライフル」と呼ばれるもので、バーゼラルドと共通です。2丁とシールドを合わせてワンセットです(PWE, 017。ベイルゲイト基地で回収された「八式電磁加速砲」をベースに開発され(S02W、小型ながら高い貫通力を持っています。また、実弾とほぼ同時に「TCS干渉弾」というものを発射し、バリアーを張る「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」にもダメージを与えることができます。シールドは銃の充電器を兼ねていて、銃が2丁ついているのは、片方が充電中でも戦えるようにするためです。ダブルトリガーするためではありません(PWE

キットは「バーサスセット」のものです。組み立ては大変に手間ですが、それに応える出来栄えです。肩や腰のアーマーが外れやすいので、「バーゼラルド」に戻す予定がないなら接着した方がストレスなく遊べるでしょう。顎のパーツは差し替えになるので、「バーゼラルド」の組み立ての時点で顎を接着してしまっていると、後で泣きをみます。

■YSX-24 バーゼラルド1号機 ゼルフィカール先行試験時

「YSX-24RD ゼルフィカール 先行試験仕様」の中身です。
4機が製造された「バーゼラルド」ですが、この1号機だけ他の3機より高性能になっています。それは、各地で猛威を振るう「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」を撃退するためのワンオフ機として、最初から意図されたものだったようです(PWE
本機を駆るのは、凄腕の傭兵、トルース・ロックヘッド。対アーテルの戦闘で、終盤、ゼルフィカールの装甲をパージし、この姿となります。最終的に撃退に成功しましたが、この戦いはゼルフィカールのテストを兼ねたものだったので、パージした時点でテストとしての意味合いは微妙になってしまったようです(PWE

キットは「バーサスセット」のものです。「YSX-24 バーゼラルド」として販売されているものより渋い色合いで、文句なしのかっこよさ。こちらが好みという人も多そうです。

■YSX-24RD ゼルフィカール 改良後

先行試験を終えて、改良を受けた「ゼルフィカール」がこれになります。本機は、月面プラントの攻略作戦に向けて、秘密裏にさらに何度かの改修を受けることになります(PWE, 018
本機を覆っているアーマーは、組み替えると「ブラストシールド」という左右一対の大型盾になります。この柔軟性は、物資の不足にあえぐ前線の不満を和らげるためだったようです。

「そんなクソ高い新型ァ開発する余裕があるンなら、こっちへスティレットの1機でもまわしやがれッ!」
「いやほら、新型のアーマーあるでしょ?あれ、盾に変えて、誰でも使えるから。できたらまわすから。ねっ?」

…そんなやりとりがあったかもしれません。
おそらく、本機をもって「ブラストシールド」は完成、「ブラストシールドの開発のため」という前線への建前は効果を失い、ゼルフィカールは一旦、表舞台から姿を消したものと想像されます。そして「ブラストシールド」だけは生産ラインに乗り、前線へ配給されたようです(018

キットは「YSX-24 バーゼラルド」と「エクステンドアームズ02」の組み合わせです。「エクステンドアームズ02」はそれ単体で左右一対の大型盾「ブラストシールド」にもなります。「ブラストシールド」は骨格となるパーツにアーマーを貼りつける構造で、結構、ぐらぐら、ポロポロします。接着、固定してしまうか、迷うところです。

■YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE

「ゼルフィカール」を宇宙戦闘用に改修した機体です。ワンオフ機で地球側の切り札です。右手に装備する「試作型光波射出機」は月側の「ベリルショットライフル」に匹敵する威力を持ち、バリアーを展開する月側のFAを一撃で撃破します。変形するとブレードになり、月側の「ベリルスマッシャー」の一撃に耐えます。左手に装備する盾のような武器は盾ではなく、「攻性防盾システム」という射出型のクローで、敵FAを掴んでひねり潰すことができます。射出は直線的にされますが、パイロットの技量によっては変則的な動きをさせることもできます。胸部には完成したバリアー発生器「ABSAユニット」を搭載しています(S04

地球側はこれを月面への反攻作戦に投入します。パイロットはトルース・ロックヘッド、凄腕の傭兵です。彼は地球防衛機構のエージェントとして戦闘データを蓄積してきました。本機にはそのデータを用いて機体の操縦をサポートするOS「VTOS」が搭載されていました。VTOSは宇宙戦闘に不慣れなパイロットでも戦えるよう、自動で機体を制御します。しかしパイロットより先に反応するVTOSを、トルースは不快に思ったようです。
本機は月面において、宿敵「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」に相対します。アーテルもまた改修を受けており、テールに追加されたベリルショットライフルで本機を牽制し後続機を破壊します。接近戦用武器で両者は激突、激しい攻防の末にアーテルは戦線を離脱(S04、本機も継戦能力を失って戦列を離れます(S08

キットは「YSX-24 バーゼラルド」と「エクステンドアームズ02」の色違いに、新規の武器が付いています。「試作型光波射出機」は変形してブレードにも銃にもなります。特徴的な「攻性防盾システム」は盾形からクロー展開型へ変形し、ワイヤーで射出状態を再現できます。

■YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE 最終決戦仕様

上記機体が「アーセナルアームズ」で武装した状態です。
月面での最終決戦に挑みましたが、「NSG-Z0/G マガツキ・崩天」の集中砲火で返り討ちにあってしまいます(035。その後、「ベリルユニットの共振反応」によって「LX-00 レイファルクス」となって蘇りました(035, 038

キットは「YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE」に「エクステンドアームズ06〈アーセナルアームズ〉」をつけ足したものです。つけ足し方は公式のフレームアームズブログ「【祝リニューアル企画】ゼルフィカール/NE最終決戦仕様〈仮想〉を作る!」を参考にしました。ブログの作例と全く同じではなく、腰部の「べリスソード」はスラストアーマーを外して付ける代わりに、同アーマーの「フタ」を外すと現れる3mm穴への接続としています。また、背部の「フォートスラッシャーの基部」は接続パーツへの挟み込みではなく、3mm穴による固定としています。ここの接続パーツは、一見、「ウェポンユニット MW17R フリースタイル・ガン」のパーツの「ポン付け」に見えるのですが、実際はパーツカットを含む修正が入っていて、再現には予想以上の手間がかかりました。

■YSX-24RD/GA ゼルフィカール/GA

ゼルフィカールの開発過程で上記「改良後」と「NE」の中間にあった仕様を、月面との戦いの後にガフが再現したというのが本機です(047。オリジナルの本機は最終決戦の前に「NE」へ改装され、最終的に「レイファルクス」に変身したため、戦後には欠片も残っていません。本機は「バーゼラルド予備機」とブラストシールドを組み合わせて生まれた、言わば偽物となります。そこらにあったものを組み合わせた急造品ゆえに、パーツ精度のばらつきためオリジナルより性能が劣るとされます(047
ガフは新規FAの製造を禁止しているため、対外的には「月面戦で中破したカトラスのサルベージ」と広報しました(047再現したのが「NE」ではなかった理由は不明ですが、「試作型光波射出機」などの専用装備(S14が再現できなかったなどの事情が考えられます。

設定上で気になるのが、「バーゼラルド予備機」の存在です。製造されたバーゼラルド4機のうち、1号機にはフレズヴェルク=アーテル討伐の任務が与えられ、オリジナルのゼルフィカールとなり、最終的にレイファルクスとなりました(017, 018, 038, S14, PWE。2〜4号機は解体されましたが、その内のいずれかが「SX-25 カトラス」として再就役し、月面戦に参加しました(027, 030, S08。このため、本機に用いられた「バーゼラルド予備機」は、それ以外の機体のいずれかを再就役させたものと想像されます。機数を考えると、本機の機数と「SX-25 カトラス」の機数の合計は3機のはずで、いずれの機体も多くて2機まで、3機以上は存在しないことになります。(このため、本機にマーキングされた「05」は何の数字かわかりません。)
また、バーゼラルドの胸にあるバリアー「ABSAユニット」は1号機にのみ搭載され、残りの機体のはダミーです(017。ところが、本機は劇中でバリアーを展開し、金剛の攻撃を跳ね返します(047。これは、ブラストシールドのABSAユニットのみで効いたか、あるいは、月面戦末期の地球側の技術向上によって「バーゼラルド予備機」に高性能のTCSが新規に装備されたかのいずれかと想像されます。

キットはゼルフィカールの色違いで、「フレームアームズ・ガール ゼルフィカール」の色に合わせたものになっています。(いよいよ、ガールととっちがスピンオフなのかわからなくなってきました。)
全身に貼られたデカールは「NE」に付属するものと同じものです。「NE」ではオマケ的な位置づけだったのか、パッケージイラストや完成写真には使われていませんが、本機ではいずれの画像でもしっかりマーキングされています。謎の「05」を含むこれらのマーキングは、本機固有のものかもしれません。75枚(数え間違いがなければ。)もあり、全部貼るのはかなり大変ですが、仕上がりはその苦労に報いるものになっています。