パチ組みレビュー

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RF-12
■RF-12 ウィルバーナイン バードハント作戦時

開発途中で破棄された「YRF-12 ジャイヴ」を、ジャン・B・ウィルバー少尉が自分専用に改造したというのが、この機体です。
ウィルバー少尉は優れたFAパイロットでしたが、統率を無視し独断行動を繰り返してはFAを使い潰すという、「名物パイロット」、地球防衛機構にとっては厄介ものでした。「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」の討伐作戦「バードハント作戦」を前に、地球防衛機構は、懲罰的な意味を込めて、ウィルバー少尉に「YRF-12 ジャイヴ」を与えました。これは「RF-9 レヴァナント アイ」をベースにした後方支援用のFAで、二輪車型に変形させることで輸送能力と戦闘能力を両立させるはずでしたが、二輪時の旋回能力の悪さなどから、開発途中で放棄されたというものです。こんな機体を回されるなんて、普通に考えればいじめに等しいのですが、ウィルバー少尉は気に入ったらしく、これをオリジナルに改造し、自分の9番目のFAという意味で「ウィルバーナイン」と命名しました。自分の乗るFAに自分の名前をつけるあたり、彼の独特な性格が出ていると言えそうです(021

かくして、本機は「バードハント作戦」に、十分な慣らし運転もなく投入されました(021。この作戦は 「四八式一型 輝鎚・甲」が特殊弾で敵のバリアーを無効化し、「三八式一型 榴雷・改」が遠距離砲撃で倒すというもので、ウィルバー少尉はリロイ曹長の「RRF-9/A レヴァナントアイ・イーギル」と共に陽動でした。ところが、「三八式一型 榴雷・改」の砲弾は、敵が素早く再展開したバリアーに弾かれて、作戦はあっけなく失敗します。そこでウィルバー少尉、撤退命令を無視して、かなり嫌がるリロイを巻き添えに、たった二人で反撃に出ます。「このまま逃げるならオレがあんたを狙撃する」、もはや脅迫です。
ウィルバーは二輪形態の本機で突撃し、敵の雷撃をかいくぐり、「RRF-9/A レヴァナントアイ・イーギル」の剣の間合いへ引き寄せました。腹をくくったリロイは機体の性能を全て出し切ってハンマーガンを直撃させ、ウィルバーが止めを刺し、遂にこの難敵の打倒に成功しました(S03

さて、このキットですが。人型から二輪へ、差し替えなしで完全変形します。組み立ては比較的簡単ですが、シリーズで最も小さいのではないかという部品もあります。米粒大なので、落としたら見つけられません。また、本来、車体の両サイドにはシールドが付いているのですが、「バードハント作戦」では「ライドカノン」に交換されていたようですので(021, S03、「フレームアームズウェポンセット2」を使い、そのようにしました。「ライドカノン」というのは2つのバズーカをくっつけたものと、そうでないもの両方を指すようで(019, S06、実際、左右にそれぞれ何本つけていたかはわかりません。見栄えとウィルバー少尉の性格を考えて、左右に2本ずつとしました。思っていたより、自己主張の強いフォルムです。
■RF-12 ウィルバーナイン 演習時

ウィルバー少尉が「バードハント作戦」に投入した時は、両手は左右合計6本のマチェットになっていました(021。作戦成功後、これは改められたのか、次に登場した時には通常の手になっていました(025
この時、ウィルバーは「RF-12/B セカンドジャイヴ」を駆るトム・ヒルツ中尉と模擬銃撃戦を始めます。勝利を確信したウィルバーでしたが、突如、ヒルツはブレードを抜いて斬りかかりました。ウィルバーはこれを間一髪凌ぎましたが、一歩間違えれば命を落とすところでした(025

それを再現したのが、このキットです。「フレームアームズウェポンセット2」についている「白い手」と、「RF-12/B セカンドジャイヴ」付属の銃を持たせています。
■RF-12/B セカンドジャイヴ

月側が次々に投入する新型FAに対抗すべく、既存の機体を活用する地球側の「EX計画」。その計画の一環として、開発途中で放棄されていた「YRF-12 ジャイヴ」を拾い上げ(021、正式採用機として完成したのが、この機体です(025。そのきっかけとなったのは、先に行われた「バードハント作戦」で(S03、そこでジャン・B・ウィルバー少尉が「YRF-12 ジャイヴ」をオリジナルに改造した機体「RF-12 ウィルバーナイン」を使用し、大きな戦果を挙げたためです(025。「RF-12 ウィルバーナイン」と同様、2輪の車両型へ完全変形します。

正式採用機とはいえ生産機数は少数で、チームSCARUをはじめとする特殊任務部隊のエースに回されました。ストーリー中に登場するのは、トム・ヒルツ中尉の乗機です(025。ヒルツ中尉は表向きはウィルバー少尉に協力的でしたが、その正体は、月側への早期降伏を推進しようとする地球防衛機構内の「急進派」…、つまり敗北主義者のメンバーでした(031。エースパイロットであるウィルバー少尉の暗殺を企て、度々、不意打ちのような刃を向けますが、うまくいきません(025, S05。そして中央ヨーロッパでの降下艇基地攻略作戦で、ようやくウィルバーを瀬戸際まで追い詰めますが、ウィルバーのお目付け役たるリロイ・ハロルド准尉に反逆を見破られ、「SX-25 カトラス」のベリルダガーを受け失敗します(027。その後はウィルバーの活躍により正体を暴かれ、遂に地球防衛機構を追われます(028, 031

キットは、「RF-12 ウィルバーナイン」の色違いに、様々な武器とそれを持つ手、武器をハンガーする「スラッブハンガー」が付いたものです。特に付属する武器の「マルチランチャー」は、短銃にもブレードにもなる優れものです。
■RF-12/B セカンドジャイヴ 改修後 Ver.YY

地球防衛機構を追われたトム・ヒルツは、あろうことか月側に合流し、地球側に敵対します。南欧バルデナ区の降下艇基地攻略戦において、「M32 ウェアウルフ」を駆るリロイ・ハロルド准尉の前に現れて苦しめましたが、乱入した「RF-Ex10 バルチャー改」のウィルバーに敗れ、ヒルツは遂に戦死します(031

その際にヒルツが用いたのが、この機体と考えられます。「RF-Ex10 バルチャー改」の取り説には、「ベリルショットランチャー」を「RF-12/B セカンドジャイヴ」の右手に1門、背中に2門装備していることが書かれています。しかし、取り説の挿絵では「べリルショットライフル」を右手に1門、背中に2門装備している様子が描かれています。「ベリルショットランチャー」は「NSG-X1 フレズヴェルク」の装備、「べリルショットライフル」は「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」の装備で、同系とはいえ、外見は全く異なります。文章と挿絵のどちらを優先するか悩みましたが、背中に装備できる構造になっているのは「べリルショットライフル」ですので、こちらを取ることにしました。そして、その色ですが、挿絵では銃身の円筒形の部分が赤になっていて、はっきりとは描かれていませんが刃の部分も赤く発光しているようですので、そのように部分塗装しました。
また挿絵に注目すると、左腕がオリジナルと違っていて、肩とそこに付いたアーマーは「NSG-04δ ヴァイスハイト」のものです。左腕はどのFAのものとも一致せず悩みましたが、ツイッターのフォロワーの方から「M.S.G.のグレイヴアームズ」との情報を頂き、確認すると完全に一致でした。下半身は挿絵に入っておらず文章にもなくノーヒントで、「スラッブハンガー」に何か積んでいる可能性や、「車輪」をつけているかなど、難しいところでした。ヒルツは先に新型の「SX-25 カトラス」に敗れており、地球防衛機構の通常兵器では、この先、太刀打ちできないことはわかっていたはずです。そこであえて既存の兵器を載せるかといえば、ノーでしょう。それでは月側の新兵器を載せるかですが、既に強力な「ベリルショットライフル」を与えられており、それ以上は必要ないだろうと想像したところで、「ハンガーには何も載せていない」と結論しました。「車輪」は両肩からは外されていて、変形能力は既に失っています。足の「車輪」は蹴り程度には使えますが(025デッドウェイトの可能性が高く、これも「付けていない」としました。

なお、上記は「RF-Ex10 バルチャー改」の発売直後に知り得たことを基にYYが解釈したものですが、2016年6月8日に公式ブログで機体の詳細が発表され、それとは一部異なることがわかっています。詳しくは公式ブログをご参照ください。

「ベリルショットライフル」は一撃でFAを撃ち抜く武器で(S01、これを3門も持った本機は、確かに強力なFAでした。ヒルツにとって不幸だったのは、相手がウィルバーとリロイだっとことに尽きるでしょう。この二人は「バードハント作戦」で「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」を撃破しています。「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」は「ベリルショットライフル」を4門持ち、バリアーを張り、変形し高速飛行するという超高性能機で(S01, S03、本機は結局、この下位互換でしかありませんでした。最初から、勝てる戦いではなかったのです。
ヒルツ元中尉に、黙とう!
■セカンドジャイヴ改

公式ブログに発表された上記機体の姿を、YYなりに再現したものです。部分塗装にスミ入れ、トップコート、さらにパーツカットと自作パーツもあり、パチ組みとは呼べません。このコンテンツとしてはアウトですが、是非再現したかったので加えました。

背中のベリルショットライフルには、ベリルユニット…、つまり透明な「刃」がついていません。そして、それは背中に直接ではなくM.S.G.グレイヴアームズの部品を介してつながっています。さらにM.S.G.バーニアノズルが追加され、より「強そう」になっています。 両足にはブースターや「スラッブハンガー」の代わりに「ヴァイスハイト」の装甲が取り付けられ、より頑強に見えます。 特徴的なのは顔面で、顔の左半分が特製のアーマーで覆われています。最初はプラバンで再現を試みましたがうまくいかず、造形パテを削って作りました。

なんだか、少年漫画によく出てくる、「やられた体の部分を機械などに置換して、再び主人公の前に現れる、一回倒した敵」みたいです。大抵、あっさり返り討ちにやられるのですが、この「改修後」も例にもれず、YYの好きなキャラの一つです。