パチ組みレビュー

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NSG-X
■NSG-X1 フレズヴェルク

月からやってきた高速戦闘FAです。戦闘機の形に変形することで高速移動しますが、それだけではありません。T結晶を用いた新技術、「T結晶シールド(TCS)オシレーター」を実装しています(012
TCSオシレーターは「ベリルユニット」とも呼ばれ、機体各所にクリアーなパーツとして確認できます。T結晶というのは、この世界を語るに不可欠な、FAを動かす(架空の)動力源です。キーワードとしては、ガンダムの「ミノフスキー粒子」とかアーマード・コアの「コジマ粒子」とかを連想してもらうと丁度良いかもしれません。この機体は、そのT結晶に関する技術を応用することで、これまでの兵器にない、超越した戦闘力を獲得しています。まず、TCSオシレーターは機体を球状に包むバリアー(TCシールド)を形成します(PWE。これは元来、高速移動の際に機体を保護する目的に装備されたもののようですが(012、通常の射撃兵器をことごとく弾きかえす、無敵のシールドとしても機能します(PVS。また更に、このバリアーの力を攻撃に転用、強力な弾体として撃ち出したり、斬撃に用いることもできます(012。これを実現する武器には「べリル」の名が冠されています。この「NSG-X1 フレズヴェルク」の装備する「ベリルショット・ランチャー」は「三八式一型 榴雷・改」の増加装甲を撃ち抜く威力を持ち(014、さらに銃床は斬撃武器として機能します(012
理不尽に思えるほどの強さですが、問題がないわけではありません。TCシールドは他の応用兵器に干渉するらしく、例えば、TCシールドの内側からは攻撃できません(S08。また、相手が同様の兵器を使ってきた場合は、干渉によりTCシールドは無効、あるいは自機を損傷する可能性があるようです(S04

キットは、「宇宙からの侵略者」のイメージに見事にマッチした、特徴的なフォルムです。両手の武器が長いので、スタンドがあると飾りやすいです。差し替えなしで戦闘機の形に完全変形します。
機体各所のクリアーパーツが綺麗で、尖っています。凄く尖っています。尻尾なんか、そのままナイフに使えそうなほど尖っています。切り出しとか組み立てて、指に刺さって痛いです。「作っていて痛かったキット」というのが受けた印象です。

でも、この美しさは、その尖りがないと半減してしまうでしょう。「美しいバラには棘がある」という言葉を体現したキットと思います。

■NSG-X1 フレズヴェルク クリアVer.

「2013 第53回 全日本模型ホビーショー」壽屋ブースで限定発売された、「フレームアーキテクト001クリアVer.」と「クリアアーマーセット01」の組み合わせです。その後、2014年3月に再版されました。
クリアパーツですが素材は柔らかく、パーツの切り出しや組み立てには苦労がありません。光を当てると、とっても綺麗です。
■NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル

最強のFAの一つです。飛べば何者よりも速く、斬ればスティレットの3機を一閃で両断し(015、守ればバリアー(TCシールド)が通常兵器を受け付けません(PVS。手がつけられない強さで、FAの世界のボスキャラと言えそうです。
地球側のエースパイロット、「今朝霧スミカ」が「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」に捕らえられ(生死不明)、その後に本機は出現しました。本機の突出して高い戦闘力は、彼女の操縦技能を反映しているようですが(PWE、そのために彼女がどうなったのか、2015年12月現時点で、詳細は明らかではありません。

キットは「NSG-X1 フレズヴェルク」の色と武装違いです。各所の青い線はデカールで、貼るのがやや大変ですが頑張る価値はあります。

■NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル MB-PB81強襲仕様

「バーサスセット」のものです。付属の動画で、地球防衛機構の基地「MB-PB81」を強襲しました。成型色がパールホワイトとなっており、とても綺麗です。
■NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル 改修型

地球での失地を回復した地球側は、月軌道上に艦隊を展開、月面プラントへの強襲作戦を開始します。その第一陣、トルース・ロックヘッドの駆る「YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE」の前に現れたのが、この機体と考えられます(S04
「考えられます」というのは、公式に相当するグラフィックがないからです。「YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE」の取り説には、「アーテル」が「ゼルフィカール/NE」と刃を交えているグラフィックはあります。しかしそれは、地上で見られた姿のままで、取り説の文面を正確に反映していないようです。
取り説にはこうあります。
「ベリルスマッシャーによる攻撃を警戒していた彼は、突如敵機の足元から伸びた光波に虚をつかれた。考えるより先に、体が自機に加速をかけさせる。光の奔流がトルース機を掠めていった。『改修してやがるのか…!』敵機のテールユニットに懸架されたベリルショットライフルを見止め、トルースは毒づく」

この文面からわかることは、「アーテル」がテールユニットに「べリルショットライフル」を装備していることと、その銃口は足元に向かっていることです。それをYYなりに反映したのがこの写真となります。「ヴァイスハイトθ」の付録の連結器で、通常の「アーテル」のテールに、ライフルを銃口を下に接続しました。色は部分塗装しています。両腕と胸の黄色はデカールで反映できるのですが、とても貼りにくいのでここも塗装しています。

ライフルはとても大きく、両手のベリルスマッシャーと合わせると、結構な重量になりそうです。重量のために機動力が低かったとされる「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」以上かもしれません。それでもなお、当時地球側最強だった「YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE」と互角に戦い、引き分けます。それはこの「アーテル」の強さに加えて、月面の低い重力のためだったのかもしれません。

■NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス

「フレズヴェルク」として最高の火力を持つバリエーション機です(S01

「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」に試験的に装備された「ベリルショットライフル」を改良、それを4丁も装備しています。尾部に取り付けられた2丁はその状態でも撃てたと見られ、実に4発の同時発射ができた可能性があります。このライフルは1発でFAを撃ち抜く威力があり(S01, S03、完全にオーバーキルな性能です。(さらにバリアーもはるので、まるでサイコガ〇ダム!)ただ、このライフルに限らず、所謂「ベリル兵器」はバリアーたる「TCシールド」と動力源を同じくしており(012、実際にどれほど同時稼働ができたのかはわかりません。

「バードハント作戦」において、地球側の「ウィルバーナイン」、「レヴァナント アイ・イーギル」、「四八式一型 輝鎚・甲」、「三八式一型 榴雷・改」の部隊を相手に単機で渡り合い、圧倒的な強さを見せつけました。しかし最終的には、「ウィルバーナイン」と「レヴァナント アイ・イーギル」の連係プレーの前に敗れ去りました(S03。その残骸は、地球側に多くの情報をもたらしたようです(S05

それからしばらくたち、地球側が失地を回復して月面への反撃へ移ったころ、本機は量産機として再び姿を現しました。地上に現れた機体には高機動化の改修が施され、ありし日の強さを見せつけました(S10
その後の宇宙戦闘では5機で現れ、月に向け地球を発った地球防衛機構を追撃しました。しかしその時には既に、地球防衛機構は超強力なベリル兵器、「アーセナルアームズ」を実用化していました。本機部隊は、あっけないほど次々に撃ち抜かれ、斬られ、無残に散っていきました(034。「再生した敵は弱い」というのは少年漫画などでもお約束とはいえ、「あの強かったルフスが!」と涙したのは私だけではないはずです。諸行無常。

キットは「NSG-X1 フレズヴェルク」の色と武装違いです。写真では4丁のライフルに部分塗装を施しています。「初期型」で後述する「連結器」は見事に改善されていて、巣組みで全く問題ありません。
■NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス 初期型

2016年11月に先のキットが発売されるまで、公式に示された姿は「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」の説明書に掲載されたグラフィックのみで、立体化はユーザーに委ねられていました。

「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」のキットに、「フレズヴェルク」の尾部へ「ベリルショットライフル」を取り付ける連結器がオマケとして付いて、それを使います。「フレズヴェルク」の尾部を分解して組み直す仕様なので、元々持っている「フレズヴェルク」を使う場合、接着しているなら要注意です。さらにこの連結器、実際に「フレズヴェルク」につけてみると、ひどくグラグラです。(メーカーは試作してみたのかと疑いたくなるほど!)瞬着で「軸を太らせる」といった手直しが求められます。

この写真のキットは、「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」の説明書を参考に、YYが「パチ組み」を基本として立体化を試みたものです。4丁のライフルには、クリアーグリーンを含む部分塗装を施しています。本体は赤く塗装する必要がありましたが、「パチ組み」を大きく逸脱しないように工夫しました。「フレームアームズバーサスセット」の「NSG-X2 フレズヴェルク=アーテル」のパールホワイトとクリアーブルーのランナーを、丸ごとクリアーレッドのスプレー(タミヤ)で塗装しました。これにより、クリアーの部分は設定の紫色に近くなっています。また、フレームアーキテクトとグレーの部分は「NSG-X フレズヴェルク」のものを用い、塗装することなく設定に近い色合いになりました。
■NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス 改修型

地球側が月面への反撃へ移ったころに現れた、改修機です。
尾部から「ベリルショットライフル」を外し、「NSG-X1 フレズヴェルク」と同じにすることで、機動力の向上を図っています(S10。両手の同ライフルは健在なので、機動力と火力を両立した高性能機と見られます。仇敵たるウィルバー機を戦闘不能に追い込み、雪辱を果たしました(S10

キットには「NSG-X1 フレズヴェルク」の尾部も入っているので、再現は容易です。写真は完全に無塗装ですが、この再現度です。発売前、「NSG-04θ ヴァイスハイトθ」の取り説にしかなかった時期からすれば、感激のキットです。