パチ組みレビュー

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NSG
■NSG-12α コボルド

地球上で初めて確認された、月からの敵方FAです。
量産型で小柄で、弱いのかと思いきや、スティレットタイプの4機を単機で殲滅してしまう、強力な機体です(「フセット」の全滅事件)。説明書には「有人機」とあり、パイロットと思しき人物についても記載があります(009。月からの侵略軍は、「プラント」のAIの暴走などではなく、何者かによる組織だった軍事作戦なのではないかと考えさせられます。

さて、このキットですが、かなりガッシリしています。多少乱暴に動かして遊んでもバラバラになりません。頭は前後逆にすると「ヴァイスハイト」になりますが、それを想像させないデザインはハイレベルです。組み立て簡単なので、量産して月方の軍勢を再現してみるのもアリ?

■NSG-25γ シュトラウス

「NSG-12α コボルド」の随伴機です。「合体」して「NSG-04δ ヴァイスハイト」になりますが、「ヴァイスハイトを分解してコボルドを作り、余ったパーツでシュトラウスを作った」という方が正解に近いようです。そんな感じですから「合体」するといっても、他の巨大ロボットアニメみたいにスマートに合体・変形するわけではなく、「2体を分解して1体に作りなおす」ニコイチ的なものになります。
FAの世界にあっては基本的に無人機で、時速250kmで走行し、「コボルド」をサポートします(010

キットのパーツ数は比較的少なく、すぐに組み上がります。「口元」のセンサーのようなものは付けない状態を選択できる他、「両手」はM.S.Gのダブルブレード(ウェポンユニット MW08R ランス・ダブルブレード)への連結器を選択できます。困った点として、肩のアーマーの接続が緩く、すぐに取れてしまいます。接着してしまうと「合体」遊びはできなくなります。しかし、ここは割り切って接着し、「ヴァイスハイト」はもう一つ別にキットを買って作るのが良いかもしれません。並べると壮観ですし、ストレスなく遊べます。
「顔」には小さな丸い目が一つついていて、じっと見ていると、だんだん可愛く見えてきます。

■NSG-04δ ヴァイスハイト

地球側の「轟雷系」を参考として、月側が独自開発したFAです。「NSG-12α コボルド」と「NSG-12γ シュトラウス」の2つに分解することで、運用に柔軟性を持たせています(KSA。「轟雷系」を参考としただけあって重装甲、高火力で(MSM3、特に双肩の「ビーム・オーブガン」は高い攻撃力を実現しています(S06。しかし、数が足りないのと戦術のパターン化で(012、登場時こそ快進撃を見せましたが(「ブレーメン空港争奪戦」)(010、地球側に対策をとられ、ほどなく陥落します(「フォーメーション・ガンプ」)(012, 015。「降下艇基地攻略戦」にあっては多数が投入されましたが、「四八式二型 輝鎚・乙」の前に全く歯が立ちませんでした(S09

キットはNSG-12α コボルド」と「NSG-12γ シュトラウス」の2キットを使って組み立てます。塗装済みが各所にあり、全くの無塗装でもこの見栄えです。特に組みにくいところや壊れやすいところもなく、安心して遊べる良キットです。

■NSG-04δ ヴァイスハイト Ver.F.M.E.

「コボルド+シュトラウス アーマーセット Ver.F.M.E.」です。
ひと箱に「コボルド」と「シュトラウス」が入っているお得なキットで、もちろん「ヴァイスハイト」も作れます。フレームアーキテクトは入っていませんので、別に用意します。「ビーム・オーブガン」の芯にはフレームアーキテクトの下腿パーツが必要なのですが、1つのフレームアーキテクトで「ヴァイスハイト」が完成できるように、代わりのパーツがついています。また、「ヴァイスハイト」の「目」がクリアーパーツでついています。

「シュトラウス」は「ダブルブレード」と「ミサイルランチャー」を後付けできる仕様になっています。この写真のキットは、それらを装備したシュトラウスを用いてヴァイスハイトを組み立てたところを想像しました。シュトラウスと同じく、両足にミサイルを装備しています。本来は「ウェポンユニット MW04R マシンガン・ミサイルランチャー」ですが、色を合わせるために「SA-16d クファンジャル」の装備品を流用しました。「ダブルブレード」は「ウェポンユニット MW08R ランス・ダブルブレード」で、シュトラウスでは2本を両手につけますが、本キットでは2本を合体させて左手に持たせました。

■NSG-04θ ヴァイスハイトθ

月側が「NSG-X1 フレズヴェルク」の武装開発に「NSG-04δ ヴァイスハイト」を用いた、試験機体です。「NSG-04δ ヴァイスハイト」の背中のキャノンを外して軽量化し、超・強力な「べリルショットライフル」を装備しています(S01
ベイルゲイトでの降下基地攻略戦に現れ、地球側のFAを散々に蹴散らし、挙句、エースパイロット、今朝霧スミカの駆る「SA-17s ラピエール ゼファー」をも撃破、その上半身を掴んで戦場を離脱します(S01

キットは「NSG-12α コボルド」と「NSG-25γ シュトラウス」のランナーの中で必要な部分と、ベリルショットライフル、そしてそれを「NSG-X1 フレズヴェルク」に連結できるパーツが入っています。色分けは「NSG-12α コボルド」に劣っていて、顔や”みぞおち”、腰の細長いパーツに塗装がありません。ベリルショットライフルのブレード部分は全体が無色透明です。一切の塗装をしないと、顔は真っ赤で胴体は真っ黒の、やや物足りない出来上がりになります。
写真のキットは、胴体と両肩、顔、ベリルショットライフルに部分塗装を施しています。塗装面積はほんの少しなのですが、それでも見栄えが大きく向上します。

■NSG-17λ ブラックフード

「ヴァイスハイトの亜種機体と見られる威力偵察型FA」
とされる「作例」です(KSA。「コボルド+シュトラウス アーマーセット Ver.F.M.E.」の取り説に紹介されています。 「作例」は他のいくつかのキットにもありますが、本機のように元キットの原型をとどめないものは例がないので、特に取り上げました。

外見はご覧の通り、「頭巾をかぶった魔法少女」です。大きな「箒」を思わせるビームランチャーは、可動性の豊かなフレームで背中に連結しています。「箒」の尾部にはブースターが並んでいて、またがって飛ぶこともできます。両手は小さくて物を持てる構造ではなく、「箒」につかまるための連結機として機能するようです。紹介された「作例」では全体に黒と紫、金のディテールで塗装されています。

ぱっと見、「ヴァイスハイト」に見覚えのあるパーツがあるので、「パーツの組み替え程度」と思ったら大間違いです。多くのパーツにカットが入り、中には原型を残さないほどに加工が必要なパーツもあります。例えば、「顔」は「ヴァイスハイト」の顔が目と額だけ切り取られ、上下逆に入ったものです。「つまさき」は「かかと」です。胴体フレームにもカットと接着が入っています。
なかなか苦労する作品ですが、「カット」をあまりしていなかった方は、このキットを作ることで、きっと新しい世界が開けると思います。レッツ、チャレンジ!