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〜サマーキャラバン福岡大会〜
平成15年7月19日、RYさんとフロム公式大会「サマーキャラバン」の福岡大会に行ってきました。

←大雨の九州自動車道で事故渋滞。この後、九州各地で多数の死傷者を出す記録的な豪雨となり、福岡を中心に交通機関は一時麻痺状態となった。YYは前日に出発したおかげで難を逃れた。

天神で博多ラーメンを堪能した後、RYさんとYYは会場に向かいました。
←博多ラーメン。とにかくうまい!負けるな、熊本ラーメン。


●会場はゲームショップ
会場は「GIGA天神」。博多の中心街にある、ゲーム・CDショップです。RYさんもYYも「会場」といえばステージがあって、観客席があって、というものを想像していたものですから、ゲームショップの一角に設けられたその狭さにびっくり。「ホントに定員32人も入るのかー?」と心配したものです。
←受付。やや緊張気味?の係員さん。

カメラを片手にしたYYの見守る中、12時30分受け付け開始、12時45分受け付け終了となりましたが、受付を終了しても定員32人中8人の姿がありませんでした。この8人の枠に対し、キャンセル待ちがYYを入れて10人、飛び入り参加を希望しました。ジャンケンの結果、幸運にもYYはエントリーを決めることができました。試合はトーナメント方式で、ルールの詳細はフロムのHPに掲載されたとおりでした。
←ルール説明。選手は皆真剣。

(以下引用)

◆ 予選
制限時間は5分とします。
マップは、一回戦は「STRUCTURE」、二回戦は「TRENE CITY」、
三回戦は「MILYTARY DISTRICT」、四回戦は「RUIN」で行い、1本勝負とします。
(上記ステージは定員64名会場(東京会場)の場合です。定員32名の会場は一回戦が無くなります。)
エクステンション(CSS-IA-42S、CSS-IA-64S)、オプショナルパーツ(OP-INTENSIFY)、
右腕装備(MWG-MG/800)は禁止パーツとさせていただきます。
脱着武器の再使用は禁止とさせていただきます。
機体変更(ACチェンジ)が可能です。
対戦相手の機体を見ての交換、アセンブルは禁止とします。
対戦時の敵データ表示は全て切っていただきます。
対戦はノーマルモードで行います。
武器破壊はOFFにしていただきます。
視点はコクピット・客観どちらでも自由です。
重量過多、腕部重量過多、出力不足等の基準違反機体も使用可能です。

◆ 準決勝
制限時間は5分とします。
マップは当日発表とし、1本勝負とします。
エクステンション(CSS-IA-42S、CSS-IA-64S)、オプショナルパーツ(OP-INTENSIFY)、
右腕装備(MWG-MG/800)は禁止パーツとさせていただきます。
脱着武器の再使用は禁止とさせていただきます。
機体変更(ACチェンジ)が可能です。
対戦相手の機体を見ての交換、アセンブルは禁止とします。
対戦時の敵データ表示は全て切っていただきます。
対戦はノーマルモードで行います。
武器破壊はOFFにしていただきます。
視点はコクピット・客観どちらでも自由です。
重量過多、腕部重量過多、出力不足等の基準違反機体も使用可能です。

◆ 決勝
制限時間は5分とします。
マップは当日発表とし、3戦2本先取で勝利とします。
エクステンション(CSS-IA-42S、CSS-IA-64S)、オプショナルパーツ(OP-INTENSIFY)、
右腕装備(MWG-MG/800)は禁止パーツとさせていただきます。
脱着武器の再使用は禁止とさせていただきます。
機体変更(ACチェンジ)が可能です。
対戦相手の機体を見ての交換、アセンブルは禁止とします。
対戦時の敵データ表示は全て切っていただきます。
対戦はハードモードで行います。
武器破壊はOFFにしていただきます。
視点はコクピット・客観どちらでも自由です。
重量過多、腕部重量過多、出力不足等の基準違反機体も使用可能です。


トーナメントの組み合わせはくじ引きで決められ、YYはBブロックに入りました。

●特製ROMは欠陥品!?
さて、いよいよ試合開始です。第一戦目、皆が固唾を呑んで見守る中、選手のメモリーカードがセットされ、ステージなどをルール通りに設定し、メモリーカードのロードが行われました。ところが、第一選手の機体を見て皆ビックリ、なんとルール規定外のEX実盾が装備されているではありませんか。係員さんの指示でその場で直ちにアセンの組み換えが行われました。ルール違反だからといって失格ではないところに、この大会の暖かさを感じました。勝負も大事ですが、ゲームを楽しむことが第一ですね。そして、「START」!、〜Now Loading〜、皆が息を詰めます。 ところが、次に表示されたのは「通信エラー」の文字。こうなるともう、PS2再起動しかありません。会場がざわつき始める中、再びセッティングが行われました。その後も何度か「通信エラー」を繰り返し、ようやくバトルスタートとなったのは何と一時間以上たってのことでした。その後数試合はスムーズに行きましたが、再び「通信エラー」で試合中断となりました。 この大会には専用のROMが使われていましたが、このROMに問題があるのではないかと係員さんは判断されたようで、選手の中から製品版のROMを借り上げ、再セット。果たして、その後は何の問題も起こらず一安心となりました。

●初戦突破
ようやくYYの出番が巡ってきました。
<宜しくお願いします。
機体はこのために特別に組み上げた中量二脚「カルメン」。オペラ「カルメン」のヒロインの名を持つこの機体は空中戦を得意とします。舞台は夜の市街地、制限時間は5分、バトルスタート!
相手の装備がわからないため、YYはバックジャンプでひとまずビルの陰に隠れ、相手の出方を伺います。
「・・・・」
相手は出てきません。「カルメン」の広域レーダー映された三角のマーカーは動きません。
「・・・
YYは「カルメン」をエリア中央の高層ビルの陰へ移動させます。と、相手が動き始めました。相手はYYの機影をレーダーからロストしていたのかもしれません。 不意に、レーダーにピンクのマーカーが多数出現しました。ミサイルです!かろうじて第一波を回避し、続く第二波を地面に当ててつぶします。「カルメン」はデコイを持っていないため、ミサイルに弱いのです。ミサイルは群れをなして丘の向こうから次々と飛んできます。ここはミサイルの弾切れを待つのが得策と考え、YYは遠距離での回避に専念します。「近づけないでいるよ・・」と会場から声が聞こえますが、仕方ありません。しばらくそうしているうちにミサイルの雨がやみました。こうなればこっちのものです。YYは「カルメン」を上空へ飛ばします。そこで初めて相手の機体を目視しました。中量二脚、マシンガンを装備しています。
「ターゲット確認、これより排除します。」
そんなことをつぶやきながら、YYは「カルメン」の十八番、トップアタックを開始しました。マシンガンの反撃が来ますが、高高度の相手にそうそう当たるものではありません。上空から相手の頭上に弾丸を降らせ、エネルギーが減ったらビルの影へ着地し、回復を待って再びトップアタックをかけます。相手の攻撃はほとんど当たりません。
←ビルからビルへ。
「この試合、もらったな。」YYはほくそ笑みました。と、レーダーにピンクに反応し、ビル越しに飛来するものあります。
「ミサイル?垂直か・・?」
ビルの陰に入り、息をこらします。ただの垂直ミサイルなら、ビルに当たって砕けるはずでした。・・・ところが!
「カルメン」は多数の散弾の直撃を受けたのです。
爆雷ミサイル!!
ビルの谷間に潜む敵をあぶり出すのに爆雷ミサイルを使うとは、敵ながら天晴れです。YYは驚くやら感服するやらで、傍目にはよくわからない笑みを浮かべたまま、「カルメン」を大ジャンプさせ高層ビルのてっぺんに立たせ、大きな深呼吸を一つしました。
「あなた、やりますね。またいつか戦いたいものです・・」
そんなことを考えながら最後の空襲を開始しました。多数の弾丸を頭に受けた敵機は炎上し、黒煙を吹き上げました。
試合後、RYさんがお茶を持って待っていました。「とりあえず、初戦突破、おめでとう。」友とはいいものです。

●赤シャツの男
2戦目、Yはやや緊張していました。次の対戦相手が一回戦で重戦車をたくみに乗り回し、実に良い動きをしていたのを見ていたからです。「こいつはできるかも・・。」YYはその人を勝手に「赤シャツの男」と名づけました。その人はとても目立つ赤いポロシャツを着ており、5〜6人で会場に来ていたチームのリーダーのようでありました。
<宜しくお願いします。
ここでYYが出したのは、重二「ドン・ホセ」。オペラ「カルメン」に登場する兵曹の名を持つこの機体は、分厚い装甲に身を包んだ重装歩兵です。舞台は晴天の軍事施設、制限時間は5分、バトルスタート!
YYは「ドン・ホセ」をビルかげからビルかげへ歩かせ、相手の出方を伺います。「カルメン」以上の高性能レーダーを搭載した「ドン・ホセ」には相手の動きが手に取るようにわかります。「赤シャツの男」は徐々に距離を詰めてきます。
「そろそろ来るな・・。」
そう思った瞬間、「ドン・ホセ」は青白い稲妻に襲われました。青く光る爆光、轟音!
K A R A S A W A ! !
YYは戦慄しました。カラサワの大火力の前には「ドン・ホセ」の装甲もダンボール紙も同然です。そして、「赤シャツの男」の機体が姿を現しました。中量二脚。カラサワの白が鈍く光ります。まともに撃ち合えばどうなるかわかったものではありません。YYは「ドン・ホセ」を後退させ、回避運動を行いつつ、引き撃ちに入ります。「赤シャツの男」はくいさがります。「ドン・ホセ」の背中がビルに当たり、動きが取れなくなりました。YYの背中に冷たいものが走ります。
嵐のように飛来するビーム弾!
しかし、一発、二発、・・当たりません。「ドン・ホセ」の回避性能はYYが考えていたよりも良好だったようです。「ドン・ホセ」の両手のライフルで応戦していきます。
←ダブルトリガーなら、カラサワにも撃ち勝てる!?
「カラサワに撃ち勝ってるぞ・・!」会場からどよめきが上がります。「赤シャツの男」はさらに接近し、カラサワの必中を狙ってきました。会場から小さく声がしました。
「・・出るぞ、EO!」
「わかっている人がいますね・・。」YYはおもむろにEOを射出しました。両手ライフルと合わせた、4条の火線が「赤シャツの男」を襲います。至近距離では到底避けられるものではありません。まるで蜂の巣です。もはやAP差は歴然でした。「赤シャツの男」は敗北を悟ったのか、不意に後退し、舞台中央で動きを止めました。YYは一瞬攻撃の手を緩めました。しかし、ここは可能な限り速やかに介錯するのが戦う男の礼儀というものです。YYは動きを止めたそのACにありったけの弾丸を撃ち込みました。「赤シャツの男」の機体がゆっくりと崩れ落ちるのが見えました。
かくして、YYは2回戦突破を果たしました。戻るとRYさんがカメラを片手に、Goodサインで待っていました。

●戦車と闘牛士
残る選手はYYを入れて8名に絞られました。ここまで来たら、もう行くところまで行くしかありません。「今度はどんな機体を出すのかな・・?」会場からそんなささやきが聞こえます。「ちょっとは注目されているのかな?」YYは少し得意になりました。その直後より悪夢のような戦いが始まるとは知る由もありませんでした。
YYが用意した3機目のACは重二「エスカミーリョ」。オペラ「カルメン」に登場する闘牛士の名を持つこの機体は、両手にバズとエネルギーEOを搭載した超攻撃型ACです。アリーナのランカーなどどれも数秒のうちに煙にしてしまいます。舞台は地下遺跡、制限時間は5分、バトルスタート!
バトルスタートと同時にYYは「エスカミーリョ」をターンブースターで振り向かせ、同時にEOを射出しました。アリーナのランカー程度なら試合開始と同時にEOの直撃を受け、致命傷を負っている・・はずでした。が、振り向いた「エスカミーリョ」の前に敵影はありませんでした。
YYは慌てました。と、その直後、「エスカミーリョ」の右横から巨大な爆炎が上がりました。
グレネードです。
YYが振り返る間に相手はOBで側面へ回りこんでいたのです。予測をはるかに超えた事態に、YYは冷静な判断力を失いました。後から考えると、この時点ですでに勝敗は決していたのでしょう。相手は全身を最高の防御力で固めた、いわゆる”ガチタン”。左右の肩に大グレとチェーンガンを背負っていました。漆黒の機体がYYには巨大な要塞に見えました。敵機はその巨体をOBで振り回し、たくみに「エスカミーリョ」の死角に入り込みます。大グレの大火力に対抗するには両手のバズだけでは足りず、YYはEOを連射します。血の上ったYYの頭には「回避」の二文字はありませんでした。狭い地下遺跡はたちまち炎と黒煙の渦に包まれました。 「どちらもすごいぞ・・!」会場からどよめきが上がります。しかし、YYの反撃はここまででした。回り込んだ相手を逃すまいと、とっさに噴かしたターンブースターが仇となったのです。
不意にエネルギーゲージが真っ赤に変わり、「エスカミーリョ」のブースター、EOは沈黙しました。
「ああ、エネ切れだよ・・」会場からため息が聞こえました。角に追い詰められた「エスカミーリョ」はグレネードタンクと正面から殴り合いをする羽目となったのです。これまでYYはこれほどグレネードを恐ろしいと思ったことはありませんでした。両手のバズだけでは相手の重装甲の前には全く歯が立たず、なんとかエネルギー回復まで耐え抜いたもののAP差は既に3000を越えており、バズとEOによる最後の反撃も空しく「エスカミーリョ」は紅蓮の炎に包まれました。まるで牛に貫かれた闘牛士の血の色のようでありました。
<まいった!

●閉会
こうしてYYのサマーキャラバンは幕を閉じました。その後も試合は続き、準決勝・決勝と、手に汗握る熱い戦いを見ることができました。
←”ガチタン”の男は3位に入賞した。ノンロックでグレをぶっ放す!
優勝者の操縦テクはすばらしく、会場からは驚きと賞賛の声が絶えませんでした。二回戦でFINの強さを見せ付けた準優勝者、最後まで構えグレネードにこだわった4位入賞者も皆の記憶から消えることはないでしょう。
←決勝前コメント。
<まあ、適当にやります。(優勝者)
<漢を魅せます!(準優勝者)
←優勝者が決勝戦1戦目で使用したのは中逆。OBによる鋭い切り返しで相手のロックを外していく。
←優勝者が決勝戦2戦目で使用したのは軽二。タンクを駆る準優勝者にトップアタックを仕掛ける。
サマーキャラバンはYYにとって忘れることのできない初めての大会でした。ACを愛する沢山の人たちと時間を共有できたことを大変うれしく思います。最後になりましたが、お付き合いくださったRYさん、すばらしい場を設けてくださったフロムの方々、そして選手の方々に深くお礼申し上げるとともに、今後のますますの御発展をお祈りいたします。