パチ組みレビュー

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用語集

引用資料


時は、クラウド・センチュリー(Croud Century・衆歴)、001年。
人類は、月からもたらされた「T結晶」によって無尽蔵のエネルギーを手に入れた。それにより、 国家による行政や貨幣による資本経済は終焉し、ざっくり言えば、物々交換によって国境のない社会が運営されるようになった。 しかし、歯止めのかからない人口増加は如何ともしがたく、人類は確実に、その生活圏を食いつぶしつつあった。(※T結晶によりエネルギーを得るシステムのことを、「ユビキタス・エネルギー・システム」といい、それを使ったエンジンを「UEユニット」と呼ぶ。)
CC198年、一人の天才(リンカー)が現れる。 その名は、ライト・ロードン氏。 同氏は、200年前からの懸案だった居住圏の問題を、地底、海洋、宇宙を開拓することで解決する「Reスフィア計画」をぶち上げた。 その計画の実現には、地底、海底、宇宙に対応できる、全く新しい重機が求められた。 この時代には、既に人型汎用建機「フレームマニューバー」があったが、これは地上用であり、求められる高度の汎用性に対応することができなかった。 そして...
CC208年2月、「フレームアーキテクトTYPE001」が完成。 これは、「フレームマニューバー」を開発母体とした、「究極の汎用性」を持つ重機である。エンジン(UEユニット)を胴体だけでなく、腕や足にも搭載しており、極端な話、「腕だけ」でも運用可能だった。一人乗りで、一応コクピットは胸部にあるが、リモートコントロールが可能なので、必ずしも必要なかった(MSM2, S02
フレームアーキテクトは生産体制に移行し、月面にプラントが建造された(月面プラント)。オートメーションでフレームアーキテクトの生産の大部分を担う巨大プラントであり、Reスフィア計画の要であった。(MSM2 全ては順調と思われた。 しかし…
CC208年8月、ライト・ロードン氏が、月面プラントでの足跡を最後に行方不明となる。 同氏はReスフィア計画になくてはならない存在だった。捜索隊が月面プラントへ向かったが、そこで見たものは、 暴走し襲い来る、フレームアーキテクトの大群だった(MSM2, MSM3。 月面プラントは要塞化され、通信は途絶していた。 何者の手によるのか、その目的も不明。 のみならず、
CC209年2月、月面プラントは降下艇を建造し、地球の侵攻を開始した。 無人のフレームアーキテクトは大群をもって既存の兵器を蹴散らし、地上を蹂躙した。 人々は、そのフレームアーキテクトを「アント」と呼んだ(MSM2, MSM3, PWE
人々は急遽、「地球防衛機構」を組織した。 地上に少ないながらも先行配備されていたフレームアーキテクトを間に合わせの銃やブレードで武装し、アントに対抗した。 しかし、圧倒的な数で攻め込んでくるアントの前には、多勢に無勢。 間に合わせの武装程度では、アントの進攻を止めることはできなかった。 かくして地球防衛機構は、フレームアーキテクトの本格的な武装化を進めることになる(MSM2, MSM3, PWE, 001R
CC209年10月、「重機」たるフレームアーキテクトに戦闘機の能力を付加した「兵器」が完成する。人類初の「フレームアームズ」(以下FA)である。 「SA-16 スティレット」と名付けられたその機体は、対アント兵器として優れた戦闘力と展開能力を発揮した。 また、同機に平行して人類初の陸戦型FA、「三二式一型 轟雷」が開発された(001R。 スティレットと轟雷は世界中の防衛機構で運用され、同年内に様々なバリエーション機や新型機を生んだ(MSM2。 FAの充実により地球防衛機構は侵攻の阻止に成功した(006。 しかしアントの数は増え続け、月面への反転攻勢どころか、一進一退を繰り返すのがやっとだった(MSM3
CC211年9月、月側は鹵獲した轟雷を元に独自のFA「NSG-04δ ヴァイスハイト」を開発し、戦線に投入した。 地球側はFAというアドバンテージを失い、戦局は泥沼化した (MSM3, 009, 010, KSA
CC212年1月、月側は新技術「TCSオシレーター」を搭載したFA「NSG-X1 フレズヴェルク」を戦線に投入、技術面での優位性を示した。TCSオシレーターはT結晶技術の応用により、通常兵器を無効化するバリアーとして、またはFAを即死せしめる高威力兵器として機能した(PVS, 015。対して、地球側は月側のFAに対抗できる新型FAの開発と現行機の新型への全面換装(SX計画)、さらに、現場へのストックパーツの支給(EX計画)を開始した(MSM3
CC212年10月、「バードハント作戦」において、地球側は月側の「NSG-X3 フレズヴェルク=ルフス」の鹵獲に成功、TCSオシレーターを解析し技術の遅れを取り戻す道筋を得た(S03, S10
CC212年12月、地球側は「YSX-24 バーゼラルド」を開発、それに続く新型高性能機をもって、反転攻勢に出た(PWE, 017, 027, 032, 033。「四八式一型 輝鎚」とその派生機は降下艇基地の攻略を開始した(029, S09
しかし、大きな組織には裏切り者がつきものである。地球防衛機構内で、長期化する戦闘に嫌気がさした「急進派」は月側に従う方針を掲げ、月側と密かに連絡をとりはじめた(028。急進派は防衛機構内に混乱を起こし弱体化を狙ったが、「黒い森事件」で月と内通する証拠を残してしまう(MSM3,028, S05
CC213年11月、急進派の陰謀は露呈し組織内から一掃され、内部分裂を起こしかけていた防衛機構は組織を立てなおす。ここで大きな働きをしたのが、先の「バードハント作戦」でも成功を収めたFAパイロット、ジャン・B・ウィルバーであった。(028, 031
CC213年12月、地球側は地上での失地を挽回し、月面プラント攻略作戦を実施した。しかし、ここで現れた月側の新型FA「NSG/Z0」シリーズの前に、思わぬ苦戦を強いられた。その最たるは「NSG-Z0/G マガツキ・崩天」で、新鋭機を駆る地球側のエースパイロットであるトルース・ロックヘッドですら、全く歯が立たなかった(MSM3, 023, 024, 030, S08
CC214年2月、月面軌道上の防衛機構艦隊は、開発を終えた新兵器「アーセナルアームズ」を地球から受領し、それを装備した決戦兵器「YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE」を投入した。同機は「NSG-Z0/G マガツキ・崩天」と激突、撃破されたかに見えたが、「LX-00 レイファルクス」となって蘇った。それは「ベリルユニットの共振反応」によって生じた、機体の変異現象であった。レイファルクスを構成する「TCラミネートシェル」は、近くにあるT結晶の活動を停止する機能、すなわち接近する全てのFAを行動不能にする力を備えていた。同機はマガツキ・崩天を下し、そのまま単機で月面プラントをも沈黙させた。これをもって、人類と月面プラントとの戦いは幕を閉じた(034, 035, 038。戦後の調査の結果、「テスタ・ログ」と呼ばれるレポートがもたらされた。内容はT結晶の正体であり、その増産が続けば地球規模のエネルギー爆発を引き起こすことが明らかとなった。月面プラントが地球へ侵攻したのは、人類への反抗ではなく、FAに代表されるT結晶が用いられた機器を駆逐し、破滅を避けるためだった。これを受け、地球防衛機構は、技術復興連盟「ガフ(G.A.F)」を結成し、人々へFAの新規開発の自粛を命じた。しかし、混乱を避けるためにその理由を秘匿したのが仇となった。ガフはT結晶の問題を解決する手がかりとして、それを無力化する力をもつレイファルクスの解析と、そのレプリカの開発をはじめたが、それが「テスタ・ログ」を知らされないままにFAの開発を禁じられた者たちの目には、ダブルスタンダードであり戦力の独占と映ったのである(038
CC214年10月、地球防衛機構内の反ガフの勢力は「リベルタ(R.V.L.T)」を結成しガフへ抵抗、遂に本格的な武力衝突へ至った。地球対月の戦いは、T結晶をめぐる地球人同士の戦争という第二幕へ移るのであった(038,S11
CC215年11月、拠点のある南米カラカスでの戦闘においてガフは敗北、後に「リベルタ騒乱」と呼ばれた戦いは幕を閉じた。その後、体制を新たにしたガフはUEユニットのワクチンプログラムの開発に専心した。UEユニットはT結晶が姿を変えたものであり、その浄化は地球規模の災害を避けるのに有効な処置であった(038,052,053
CC217年末、全UEユニットの浄化が終了し、そして、全てのFAは兵器としての役割を終えた。しかし、全てのFAが姿を消したわけではなかった。職にあぶれたFA乗りたちが、非合法にFAによる賭け試合を始めたのである。この賭け試合は地下興行「フレームアームズ・ヴォルテックス」(以下FAVT)と呼ばれた。「ベルテッド」はその元締めであった(053
CC225年、ベルテッドは肥大し、独自の経済圏を形成するに至った。これを重く見た政府はベルテッドに対して武力介入を実施した。しかし、長期にFAを封印していた政府はベルテッドのFAによって返り討ちとなった(053
CC228年、政府は複合企業「コングラート」を使い、公式のFAバトル「フレームアームズ・バトルコンプレックス」(以下FABC)を開催を宣言した。その目的は政府のFA戦力獲得であった(053
CC230年、第一回FABCが開催された。模擬弾をレギュレーションとした大会であったが、そこへベルテッドは実弾を搭載するなどした違反機体を投入するのだった(052, 053

【続く 2021年2月17日】