SL-16
〜腕部と斬撃の速さの関係〜
★Vol.1〜ACCURACYと斬撃速度の関係のウソ〜
しばし、「腕のブレードホーミング(ACCURACY)が高いと、ブレードの振りが遅い」という言葉を耳にします。
使った印象ではそんな気もしないではないですが、実際にはどうなっているのでしょう。
いきなり結論ですが、
●腕部によって、トリガー(デフォルトでは○ボタン)を押してからブレードが発動するまでの時間に差はない。
●腕部によって、ブレードが発動してから消失するまでの時間に差がある。
●上記にACCURACYは関係なく、各腕部に設定された隠しパラメータによって決定される。
上記の根拠となる実験結果は以下の通りです。
◎実験
:ACCURACYの異なる腕部でそれぞれ空中斬りを行い、トリガーを押してからブレードが発動し、消失するまでのフレーム数を数えます。
(「フレーム」については、REPORT14を参照)
1)実験機:初期機体にWS-1(FCS)、ROZ(ジェネレータ)を装備したものに、代表腕部として、MAM-MX/REE(ACCURACY 400),CAL-44-EAS(ACCURACY 600),CAL-MARTE(ACCURACY 1400),CAL-66-MACH(ACCURACY 800)をそれぞれ装備したもの
実験場所:ACテスト1
2)実験機で空中斬りを行い、PCに録画します。
3)PC上で、トリガーを押した瞬間からブレードが発光するまでのフレーム数(=抜刀時間)と、ブレードが消失するまでのフレーム数(=振りぬき時間)を数えます。
※トリガーを押した瞬間にエネルギーゲージが減少するので、これをトリガーの目印とします。
結果
トリガーを押してからブレードが発光するまでは、全腕部で8フレーム同一であり、腕部によって振り始めに違いはありませんでした。違いが出たのは、ブレードが発光してから消失するまでの時間で、
MAM-MX/REEのブレードが10フレームで消失したのに対し、CAL-MARTEのブレードは消失するまでに15フレームを要しました。つまり、これが「振りのスピードが違う」と感じさせる所以です。
対戦者がお互いに近距離で向き合って「1、2の3」で斬りあえば、腕部による「抜刀」に差はないため、どの腕部でもほぼ相打ちなります。(処理速度の問題で、実際に「相打ち」になることはありませんが。)
しかし、ブレードの振り終わりが互いをかすめる実戦では、「振り抜き」の遅い腕部は隙も大きく、確実に不利になります。
さて、ここまでは、あたかもACCURACYの大きな腕部ほど「振りぬき」が遅いような印象を受けます。
しかし、その後の追加試験でCAM-01-MHL(ACCURACY 500)の「振りぬき時間」は17、MAL-RE/REX(ACCURACY 500)の「振りぬき時間」は20と判明し、結局ACCURACYは「振りぬき時間」に関係ないパラメータという結論に至りました。「振りぬき時間」は各腕部の隠しパラメータによって決定されていると思われます。
次の機会には、全腕部の「振りぬき時間」の測定を行いたいと思います。
〜腕部と斬撃の速さの関係〜
★Vol.2〜状況による斬撃速度の違い〜
初代ACシリーズでは、ブレードを振る際に方向キーが前方向に入力されていると、リロードが速くなり、連続斬りを出しやすいという要素がありました。SLではどうなのでしょうか。また、地上と空中では差はあるのでしょうか。
いきなり結論ですが、
●ブレードを振る時に方向キーが押されていても「振りぬき時間」に差はないが、地上での「リロード時間」は短くなる。(空中では差はない)
●地上と空中では「振りぬき時間」に差はないが、「リロード時間」には差がある。
上記の根拠となる実験結果は以下の通りです。
◎実験
:様々な条件下で実験機による斬りを行い、トリガーを押してからブレードが消失するまでのフレーム数を数えます。
(「フレーム」については、REPORT14を参照)
1)実験機:初期機体にWS-1(FCS)、ROZ(ジェネレータ)を装備したものに、代表腕部として、初期腕部を装備したもの
実験場所:ACテスト1
2)実験機で連続地上斬り・連続空中斬りをそれぞれ行い、PCに録画します。
3a)PC上で、トリガーを押した瞬間からブレードが消失するまでのフレーム数(=振りぬき時間)を数えます。
3b)PC上で、トリガーを押してから再びトリガーが押せるまでのフレーム数(=リロード時間)を数えます。
※トリガーを押した瞬間にエネルギーゲージが減少するので、これをトリガーの目印とします。
I)地上で方向キーを入力していない場合
II)地上で方向キーを入力している場合
III)空中で方向キーを入力していない場合
IV)空中で方向キーを入力している場合
の4パターンについて測定を行います。
結果
「振りぬき時間」については、4パターン全てについて20フレーム同一であり、他の腕部(MAM-MX/REE)で同様の測定を行っても結果に変わりはありませんでした。
「リロード時間」については、
I)地上で方向キーを入力していない場合・・・45フレーム
II)地上で方向キーを入力している場合・・・34フレーム
III)空中で方向キーを入力していない場合・・・28フレーム
IV)空中で方向キーを入力している場合・・・28フレーム
という結果となりました。リロードは地上と空中に比較的大きな差があるため、実戦では重要な要素と言えるでしょう。
〜腕部と斬撃の速さの関係〜
★Vol.3(完結編)〜腕部別斬撃能力値〜
Vol.1、Vol.2より、腕部によって「振りぬき時間」が違い、又、地上と空中で「リロード時間」が違うことがわかりました。では、それぞれについて全腕部を調べてみましょう。
◎実験
:様々な腕部を装備した実験機による斬りを行い、それぞれについて「振りぬき時間」と「リロード時間(地上・空中)」を調べます。
1)実験機:初期機体にWS-1(FCS)、ROZ(ジェネレータ)を装備したものに、全腕部を装備したもの
実験場所:ACテスト1
2)実験機で連続地上斬り・連続空中斬りをそれぞれ行い、PCに録画します。
3a)PC上で、空中における、トリガーを押した瞬間からブレードが消失するまでのフレーム数(=振りぬき時間)を数えます。
3b)PC上で、地上と空中における、トリガーを押してから再びトリガーが押せるまでのフレーム数(=リロード時間)を数えます。地上では前向きの方向キーを入力した状態で測定します。
結果(参考として「ENERGY SUPPLY」と「ACCURACY」を付記します。)
腕部 |
振りぬき時間(空中) |
リロード時間(地上) |
リロード時間(空中) |
ENERGY SUPPLY |
ACCURACY |
XB
|
20 |
34 |
28 |
85 |
600 |
SOL
|
21 |
36 |
34 |
105 |
700 |
REE
|
18 |
34 |
24 |
130 |
400 |
ALS
|
20 |
34 |
29 |
110 |
700 |
MHL
|
17 |
29 |
27 |
100 |
500 |
MDD
|
18 |
31 |
27 |
90 |
500 |
DUSK
|
20 |
30 |
27 |
100 |
700 |
TIN
|
20 |
32 |
26 |
70 |
700 |
EAS
|
20 |
33 |
27 |
100 |
600 |
GALE
|
19 |
33 |
28 |
90 |
600 |
REX
|
20 |
33 |
28 |
120 |
500 |
MARTE
|
23 |
33 |
29 |
95 |
1400 |
HADRO
|
19 |
32 |
27 |
90 |
700 |
ROD
|
19 |
31 |
27 |
115 |
600 |
MACH
|
21 |
32 |
27 |
110 |
800 |
NIX
|
21 |
31 |
29 |
110 |
700 |
GG
|
18 |
32 |
27 |
100 |
600 |
XB1
|
20 |
33 |
26 |
90 |
600 |
CASK
|
20 |
33 |
26 |
125 |
800 |
BOLD
|
20 |
35 |
27 |
100 |
600 |
VV
|
18 |
35 |
26 |
130 |
400 |
◎考察
まず、「振りぬき時間」と地上での「リロード時間」、空中での「リロード時間」にはそれぞれ何の相関も見られませんでした。全て、各腕部に設定された隠しパラメータによるものと思われます。
細部に目をやると、空中におけるMAM-MX/REEの圧倒的なリロードの速さが目につきます。空中斬りがメインとなる対戦では、エネルギー供給の高さも相まって、斬りに関しては最強の腕部と言えるでしょう。(問題は重量ですが。)
又、地上におけるリロードは中量腕部で速い傾向にありますが、CAM-01-MHLはその中でも最も速く、ブレードを使う時には選択肢に入れたいところです。
「振りぬき時間」の遅いCAL-MARTEのリロードは意外と平均的で、連続で斬りあう際にはさほど不利にはならないようです。目に余って酷かったのはCAM-11-SOLで、極めて遅いリロードの為、対人戦では斬り負けること必至でしょう。
尚、このデータは初期ブレードに限ったものであるため、他のブレードでは違った結果になる可能性もあることを付記しておきます。